手の形の型にはめたり、型に沿って削った木製の手や、桐のおがくずを練り固めたものや石膏で型取った『土台になる部分』を「生地」と呼び、そこに、胡紛(牡蠣や蛤の貝殻をすりつぶし、粉にした物)とにかわを調合した白い塗料を生地に幾重にも塗り重ねます。ここではまったくの白塗りの状態です。これを十分に乾燥させ、仕上げとして全体に滑らかになるようにします。一つ一つがぶつかったり重ならないように、特製の乾燥台の上で乾かします。
本体のお人形の大きさに合わせて数種類の大きさがあります。素材や仕様に合わせた手を選び、着物を着せ付けたお人形本体に取りつけます。ひな人形だけでもお姫様から三人官女、随身等、全ての種類が違う手を使用していますので、その大きさや仕様まで含めると長大な種類になります。お姫様用の手だけでも36もの種類があり、それぞれに仕上げ方も異なります。大きさももちろん関係がありますが、そのお人形の仕様にあわせた手の選択も大事な要素になります。一番目立つ部分とも言えますので、その仕上がりには最新の注意が注がれます。
お殿様や随身等、男のお人形にはきちんと足があるのです。( 一部除く )大きさや仕様によってサイズや素材を選び、足を履かせていきます。あまり目立たない所なのですが、無くてはならない部分とも言えるでしょう。もちろん足にもその大きさや仕上げ方等によって色々な仕様があります。足袋や草履を履いた足もあります。