元々は「ひいな遊び」という遊びで使ったワラや紙で作った人形(ひとがた)でした。
この人形に厄(やく)や災いを移し、川や海へ流す「流し雛」が始まり、今のひな祭りへと発展したのです。
ですから、おひなさまは女の子の健やかな成長のため、その子の厄受け「お守り」となってくれているのです。ですから、お母様のひな人形を譲ったりするのは本来の意味からするとちょっと…
ひな人形はずーとあなたを見守ってくれています。
いくつになってもぜひ毎年飾ってあげて下さい。
おばあちゃん、お母さん、赤ちゃんと、ご家族みなさんのおひなさまも一緒に飾ってあげて下さい。
ご家族みなさんのお祝する気持ちが一番大事な事だと私達は考えます。縁起物の蛤(はまぐり)等の海の物と山の物を取り入れたお料理を中心に、是非みなさんでおひな祭りをお祝して下さい。
当工房では、全ての構想をまとめて、使用する素材や部品、形や大きさを決定するプロデューサーを今では主に着付師が行っています。(着付師とは胴体を仕上げる人の事です)お客様のご要望や売り子さん等の意見や流行などを取り入れ、最新の技術と熟練の腕で仕上げていきます。
全体のパーツ総数は約200点以上の部品からなっています。多い物では294点(写真の雛)の小さな部品を組み合わせています。
もちろん、手作業の積み重ねで出来ている人形ですので、うまく出来上がった時のよろこびはひとしおです。
毎年たくさんの試作のおひなさまを作りますが、失敗もあります。ものすごく高価な金襴を裁断する時は、やはりいつもより何回も見直してから取り掛かったり、袖を作る時、右手の袖ばかり作っていたり。まっすぐに縫う事さえ難しい金襴もあります。作っても作っても納期に間に合わず、問屋さんに怒られた時もありました。
でも、作る事は大変だけれど、出来上がった時、お客様に喜んで買って頂いた時は、すごく感動します。ほんとうにうれしいです。毎年作ってきていて、来年はもっと良い人形を作ろうと製作意欲がぐんと湧くのです。