秀光人形工房 (ひな人形、五月人形、日本人形)

五月人形には、その地方や風習によりたくさんの種類や飾り方があります。 ここでは、当工房が代表的な甲胄の作業工程を説明します。

小さなパーツをいくつもつなぎ合わせて細長い段段になる部分を作ります。 これに「うるし」を何層にも塗り固め、さらに丈夫に加工します。仕様によってはこれに金箔を張ったり、白檀(びゃくだん)の実をエキスにしたものを塗ったりして、 さらに加工する場合もあります。

小札を平組みの組紐をとおしてつなぎ合わせます。色や配置を考えながら段段に組み上げます。出来た物をしころと呼びます。

頭をかぶる部分を鉢といいます。 たくさんの部品を組み上げる工程でつける金具や形状によって様々な形に分けられます。鉢の両側に吹き返しと呼ばれる耳のような部品を取り付けます。 一番目立つ部分で最も特徴の出る部分で、様々な装飾がほどこされます。

兜のあごひもにあたる部分です。当工房では正絹の組み紐を使って太目の固いしばりの物を採用しています。鎧では他の数カ所にも太めの組紐を使っています。

立物や前立とも言われ、ちょうどおでこの所に差し込みます。竜頭は素材や細工によってたくさんの種類や形があります。一番目立って特徴の出る部分といえます。鍬形は太くて大きい物から細くて長い物まで様々な形がありますが、現在の主流は鎌倉時代の源義経型が原型といえます。竜頭等の前立が無い物もあります。

それぞれに製作された各部分をひとつのパーツに組み付けます。それぞれのバランスと仕様に気をつけながら形を整えます。最近では太めの胴が人気があるようです。

兜飾りの場合は頭部のみを、鎧飾りの場合は全身分を櫃(ひつ)の中に納めます。 飾る時はこの櫃を台にして飾りますが、最近ではこのスタイルにとらわれない飾り方もあるそうです。細かく数えると標準的な鎧飾りの鎧本体で500点から数千点部分で出来上がっています。兜本体では50〜200点くらいでしょうか。手作りで仕上げる為出来る数が限られてしまいます。でも妥協はしたくありませんので、難しい所ですね。